いびきの原因は扁桃腺の腫れ?扁桃腺肥大・扁桃炎の原因と治療方法

いびきの原因は扁桃腺の腫れ?扁桃腺肥大・扁桃炎の原因と治療方法

いびきの原因は扁桃腺の腫れ?扁桃腺肥大・扁桃炎の原因と治療方法

騒音で周囲に迷惑をかけるだけでなく、睡眠の質を低下させてしまう「いびき」。いびきの原因には肥満やアレルギー性鼻炎、睡眠時無呼吸症候群など様々なものがありますが、扁桃腺の腫れもそのうちの一つです。

今回は、扁桃腺肥大・扁桃炎といびきとの関係や、治療方法についてまとめます。

いびきと扁桃腺の腫れ

いびきとは、睡眠時に何らかの原因で気道が圧迫され、口蓋垂(のどちんこ)やその付近の粘膜が呼吸で振動することで音を発する現象です。気道が圧迫される原因は、肥満による喉の脂肪や、飲酒による筋肉の弛緩などの他、扁桃腺肥大・扁桃炎といった「扁桃の腫れ」があげられます。

「扁桃(正式名称:口蓋扁桃)」とは、口を大きく開けると喉の奥の方に見える、アーモンド大の組織が二つ並んだように配置された免疫器官です。(「扁桃」とはアーモンドの和名であり、その形状から命名されています。)

扁桃の主な役割は気道経由で侵入してきた病原菌などの異物を粘膜で取り込み、痰や鼻水として排泄することです。したがって、風邪やインフルエンザなど気道内に感染するウィルスを検知すると、反応を起こして赤く腫れ、熱を帯びます。病気の時にこうした症状が起こるのは「免疫が働いているからこそ」といえます。

いびきと扁桃腺の腫れ

この扁桃が何らかの原因で慢性的に腫れた状態になると、喉の空気の通り道が阻害され、呼吸気圧が上昇していびきが起こります。いびきの音の大きさは呼吸気圧に左右されるため、扁桃の腫れが大きく、気道が圧迫されるほどいびきの音も大きくなります。

扁桃腺が腫れる病気は主に二つ、「扁桃腺肥大症」と「扁桃炎」です。

扁桃腺肥大とは

扁桃腺肥大(または扁桃肥大)とは文字通り「扁桃腺が大きく腫れる」病気です。扁桃は免疫組織ですので、体内に異物が侵入してきたとことを検知すると機能します。上述のように、気道経由での異物の侵入を阻むのが扁桃の役目です。

扁桃腺肥大は子供がかかることの多い病気です。子供のいびきが続く場合には、扁桃腺肥大やアデノイド肥大が原因となっているケースが多く、場合によっては手術を勧められることもあります。

大人になると次第に扁桃腺肥大は減っていきますが、一時的な免疫の低下、遺伝的な体質、扁桃腺肥大を繰り返したことによる慢性化などによって、引き続き症状がみられる場合があります。

扁桃腺肥大の症状

扁桃腺肥大には3つの段階に分類されています。

  • 第1度:扁桃がわずかに肥大している状態
  • 第2度:扁桃が喉を狭めるほどに肥大している状態
  • 第3度:喉を閉塞するほどに口蓋扁桃が肥大している状態

第2度以上で喉が狭くなっている場合には、いびきの他、摂食障害、呼吸困難といった症状がみられることもあります。

いびきの原因となる扁桃腺肥大

扁桃腺肥大の治療方法

扁桃腺肥大の治療方法は、症状がどの段階にあるのかによって異なります。

第1度:扁桃がわずかに肥大

様子を見て炎症が起こっているようであれば、消炎鎮痛剤を投与して鎮まるのを待ちます。ただし、この段階では強い自覚症状を感じることはほとんどありません。

第2度:扁桃が喉を狭めるほどに肥大

気道狭窄を起こしているためいびきをかいたり、痛み発熱を起こしている場合があります。治療方法としては炎症を鎮める消炎鎮痛剤(ロキソニン、小児用バファリンなど)や、ステロイド内服薬(プレドニンなど)が投与されます。炎症以外の場合は、特に日常生活に支障がなければ経過観察となるケースもあります。

第3度:高度な気道狭窄

自発呼吸が困難になったり、睡眠時無呼吸症候群を発症したり、周囲の眠りを妨げるような大きないびきをかくことがあります。この段階での治療方法としては、扁桃腺を除去する手術が選択されるケースが多くなります。(口蓋扁桃手術)。

扁桃炎とは

扁桃炎とは、扁桃に強い炎症反応が起こって腫れや痛み・発熱などを引き起こす症状です。

いびきの原因となる扁桃炎

炎症を起こす原因には、以下のようなものがあげられます。

  • ウィルス等の病原菌への感染
  • アレルギー
  • ストレス
  • 悪性腫瘍
  • 免疫力が未成熟な小児等の異物に対する過剰反応
  • その他、生活習慣病や口腔内の他の病気(特に甲状腺関連疾患との関係が深いと考えられています。)

扁桃炎の治療方法

扁桃炎で痛みや腫れを起こしている場合には、それぞれの原因に応じた治療法がとられます。

ウィルスや真菌などの病原菌によるものの場合は、抗生物質(ケフラールやパンスポリン、フロモックスなど)が投与されます。アレルギーによる腫れや痛みの場合には、抗アレルギー薬、ステロイド内服薬(プレドニン)などの投与を行います。

その他、ストレスが原因の場合は精神科や心療内科、神経科の方に転科して心理療法や向精神薬を投与するなどの保存的治療。悪性腫瘍や生活習慣病、甲状腺関連疾患などの基礎疾患がある場合は、その病気の治療が第一選択肢となります。

小児の免疫不全からくる過剰反応や原因不明の腫れで日常生活に支障があると判断された場合、あるいは投薬治療では改善が見込まれない場合には、手術が適用されます(口蓋扁桃手術)。

まとめ

今回は、いびきと扁桃腺の腫れとの関係と、その治療方法についてご紹介しました。

扁桃腺肥大や扁桃炎は子供に多い病気ではありますが、慢性化しやすく、大人になっても治らない人は多くいます。睡眠時の無呼吸や、息苦しさなど、生活への支障を感じる場合には、早めに治療を受けるようにしましょう。